重くのしかかる介護者への負担
これほど多くの負担を抱えている
在宅介護の負担
在宅介護をしている人はどのようなことに負担を感じており、どのくらい介護に対して時間を割いているのでしょうか。介護者の7割以上が、何かしらの悩みやストレスを抱えていることがアンケート調査によって判明しています。主な悩みやストレスの原因として挙げられるのは、当然のことではありますが「家族の病気やそれに伴う介護」です。次点で、「自分の病気や介護」です。このことから、介護そのものが悩みやストレスの原因であることが分かります。
さらに具体的に見ていくと、「在宅介護を続けていくにあたって不安なことは」という質問に対し、最も多かった回答が「認知症への対応」でした。要支援状態の場合はそこまで認知症に対する不安は多くありませんが、要介護1~2以上になると全体の40%以上もの人が認知症に対する不安があると回答しています。また、要介護2以下の場合は約30%の人が「外出の付き添いや送迎」に対して不安を感じているようです。要介護3以上になると、「夜間の排せつ」に対して多くの人がストレスを感じていることが分かっています。働きながら家族の介護をする人の多くは、入浴や食事などの日常生活における介護に対して大きな悩みを抱えていることも分かっています。
どのくらいの時間を介護に割いているのか
介護者が家族の介護にどのくらいの時間を割いているのかを調査したところ、要介護2以下では半日以下のケースが多いですが、要介護3以上になると急激に介護に必要な時間が増えることが分かりました。要介護3では、介護をする時間が「半日以上あるいは終日」と回答した人が約半数もいます。さらに要介護4になると65%もの人が半日以上あるいは終日介護を行っています。要介護5になると、半数以上が終日介護をしており、付きっきりあるいは複数人で介護をしていることが分かっています。
要介護度が高くなればなるほど介護の負担も大きくなります。日常的に多くのストレスや疲れを感じるようになり、それが続くことで介護者はどんどん疲弊していきます。家族が施設介護を検討するのは、「要介護3以上」「認知症の有無」「夜間の介護」などが要因であることが多いようです。そのため、夜間の介護をサポートするナイトケアの存在が、在宅介護を継続する上では欠かせないのです。介護を受ける側だけではなく介護をする側である家族の負担を軽減することが、在宅介護においては非常に重要なポイントとなります。
社会的な課題「介護ストレスの解消」
介護者の休息も不可欠
在宅介護を継続的に行うためには、介護者の休息が必要です。そこで有効となるのが、ナイトケアを含めたレスパイトケアです。介護者を一時的に介護から解放することで、心身のリフレッシュを図ります。
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