今後もニーズが増えるナイトケア
サービスを必要とする人はこれからも増え続ける
まだまだ数が足りていない
2017年に行われた総務省行政評価局の調査によると、在宅介護における一時的な引き受けや夜間対応をしてくれる事業所の数が不足していると感じているケアマネジャーが全体の8割もいることが分かりました。特に、土日祝に対応できるナイトケアの数が足りていないという声が多いようです。この結果を受けて行政評価局は、自治体による介護サービスの環境整備に至らない部分が多いとして、厚生労働省に対して計画達成に向けた評価・点検を徹底するように勧告しました。
介護離職などの問題を解決するためには介護サービスの存在が不可欠です。問題解決に向けた環境整備がしっかり行われているのかを確かめるのがこの調査の目的です。全国の527人のケアマネジャー、20の都道府県、40の市町村を対象に実施しました。その結果、8割近くのケアマネジャーが「介護者の急用によって一時的に介護を離れなければならない際に介護を引き受けてくれるサービスが不足している」と回答しました。具体的に不足しているサービスの種類は、「夜間対応型訪問介護」「定期巡回・随時対応型サービス」「ショートステイ」です。
なお、自治体に対する調査では、直近の事業計画についてもアンケートを実施しました。その結果、約3割の自治体は達成状況の評価・点検を毎年は行っていないことが分かりました。さらに、10の自治体では事前に予想したニーズと実際に整備された施設の量との乖離が5割を超えているサービスがあることも判明しました。
確実に伸びていく
在宅介護で介護保険サービスを利用する場合にはケアマネジャーやヘルパーなどとの連携が必要です。訪問介護を利用しながら、デイサービスなどの通所型サービスを併用すれば介護内容は充実していきます。職員による訪問は引きこもりがちな高齢者やその家族を活性化させる効果があります。訪問を重ねていくことで対応する人々の生活習慣が正され、独り暮らしの場合は見守りの効果もあります。2025年には団塊の世代が一気に後期高齢者になりますので、今後も在宅介護サービスのニーズは伸び続けていくでしょう。国としても、高齢者が可能な限り住み慣れた場所で自立した生活を送ることができる地域包括ケアシステムの整備を進めています。これからは、地域全体の包括的な支援により、高齢者の生活を支えていく社会になっていくでしょう。そこで必要となるのが、ナイトケアなどの介護サービスなのです。
社会的な課題「介護ストレスの解消」
介護者の休息も不可欠
在宅介護を継続的に行うためには、介護者の休息が必要です。そこで有効となるのが、ナイトケアを含めたレスパイトケアです。介護者を一時的に介護から解放することで、心身のリフレッシュを図ります。
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